職務経歴書の書き方

学歴や職歴などを中心に応募者の概要を伝える履歴書に対し、職務経歴書は具体的な業務知識や能力を伝えるもの。職種によっては、履歴書以上に重要視されるケースも多くなった。自己PRのチャンスと考え、上手に活用してライバルに差をつけよう。形式は編年体形式とキャリア形式がある。それぞれの基本を押さえて、自分ならではの経歴書を作成しよう。

基本の書き方
表組み・文字の強弱など、読みやすさに配慮する。
長くてもA4用紙2〜3枚にまとめる。
これまでの成果は具体的にできるだけ客観的な数字などで表現する。

編年体形式

編年体形式:年月を見出しとして時系列でキャリアを書き込む一般的なスタイル。入社や配属、異動や研修などの流れに沿ってすっきりまとめる。

(1)これまで歩んできた道をつなげる。やってきたこと、何を意図してきたのか。自分を貫いている仕事観、柱となっていること。
(2)そこで出した成果、実績、身に付いたスキルや経験、苦労したエピソードや大事にしてきたこと。小さなことでもいいので、自分なりに頑張れたと思うことなどを具体的に書く。
(3)これからどんな姿勢で仕事に臨むか。応募先でどういう部分で貢献したいかを意思表明する。

キャリア形式

キャリア形式:これまでの経験を分野別にまとめるスタイル。技術者など専門分野をアピールしたい人に向いている。

書き上げた職務経歴書を再度チェック!

□応募職種と関連する項目を注目させるように記入できた?
□実績や業務内容の記入漏れはない?
□余白などを取り、見やすいレイアウトになった?
□具体的に、かつ簡潔にわかりやすく記入できた?
□自分のキャリアを十分にアピールできた?

職種別、ケース別の書き方

編年体形式、キャリア形式の基本を踏まえ、希望職種により効果的にアピールするための職種別、ケース別の留意点を整理しよう。

営業職の場合
営業といっても業務内容は幅広い。取扱商品、営業方法、活動範囲、対象顧客、顧客管理、業績などを詳しく記入する。特に個人別売上や表彰を、数字や名称で示すと説得力がある。
□営業スタイルや対象顧客を記入した?
□取扱商品や営業活動を説明した?
□販売成績や企業貢献度は抜けていない?
□営業能力やスキルが明記されている?

事務職の場合
営業職のように数字などで示せないため実績が見えにくいが、仕事にどう取り組み、ステップアップしてきたかがPRポイント。どのような仕事に携わってきたか具体的に示し。積み重ねた経験をアピールしよう。
□担当職務の説明はある?
□経験がわかるような書き方になっている?
□事務能力やパソコンなどのスキルが明記されている?
□自己啓発や研修歴など抜けていない?

技術職の場合
経験を厳しく見られるだけに、より具体的な内容が求められる職種。最初に編年体で職務経歴を示し、強調する実績を項目別にまとめるのが一般的。どのように貢献したかも必ず書こう。
□担当職務の説明はある?
□手がけた製品やプロジェクトを明記した?
□自分のスキルや使用機器などは抜けていない?
□開発実績などはプロジェクトごとにまとめた?

専門職の場合
仕事内容が明確なので編年体で職歴をまとめ、キャリア形式でより具体的な仕事の内容を説明する。デザイナー、カメラマン、コピーライターなどのクリエーターは自分の作品を添付するのがもっとも効果的。受賞歴などがあれば必ず書き添えて。

フリーターの場合
まずフリーターだった理由を正直に述べる。さらにアルバイト・パートでも自分の経験の中から、応募する職種や業種のニーズに合致する能力をアピール。営業や販売を目指すならばコミュニケーション能力などを、専門職を目指すならば研修や自己啓発(講座受講やスクールなど)を詳しく書く。

キャリアが浅い場合
就職後1年以内で転職するなどキャリアが浅い場合は、一つひとつの項目を丁寧に細かく書く。資格や勉強中のことなど、できるだけの材料を探し、また入社して何をしたいのかを明記。目的意識を持って入社に臨んでいることをアピールしよう。

職種が多岐にわたる場合
希望職種にできるだけ近い経験を前面に出した形でまとめる。関連性の薄いものは基本データにとどめ、少しでも共通点があるものは具体的にどんな業務内容だったのかを関連づけながら説明しておく。「一貫性がない」というマイナスイメージを、採用担当者に与えないようにすることがコツ。

35歳以上で転職する場合
即戦力以上のものが要求される年代だけに、経験・能力はもちろん、統率力やマネジメント力なども伝わるようにするのがポイント。PCソフトを使って読みやすいレイアウトにし、スキルもアピールしたい。社内の部署、昇進や職務内容とともに職務に対する立場や約割も明確にする。

ブランク後に再就職する場合
ブランク期間に経験した「社会との接点」をアピールする。アルバイト・パートの内容や、受講した講座や取得資格、技能、ボランティア活動やサークル活動なども記入しておこう。

【ケース別の書き方例】バイト経験しかない

仕事初子さん(仮名/25才)
希望職種/販売(アパレル業)
学生時代の就職活動で内定を得ることができず、これまでの職歴はホテルの宴会サービスや飲食店などアルバイトのみ。正社員として働くことを目指して、アパレルの販売職に応募しました。
(1)職務経歴書の冒頭に要約を付けましょう。今回のケースでは、卒業後に就職しなかった理由やこれまでしっかりと飲食店で仕事に取り組んできたことを要約で説明しています。
(2)自分が経験した具体的な職務内容と、仕事を通じて身についたスキルを説明しましょう。がんばったことや実績の紹介もGOOD。
(3)「志望動機」では、これまでの経験をどう活かして貢献するかを説明します。自分を採用することが、企業にメリットになると感じてもらうことが重要です。
(4)結果的にうまくいかなかったことでも、そこに至るまでがんばった姿勢が伝われば問題ありません。

バイトで得た経験をどのように活かすのか、しっかりアピールしましょう!
仕事初子さんのように、初めて正社員を目指す人が考えるのは、「バイト経験しかないのに、職務経歴書が必要なのか」ということでしょう。アルバイトの職種と応募する職種がかけ離れていれば、「むしろ出さない方が良いのでは?」と考える人もいるかもしれません。しかし、結論から言えば、バイト経験しかなくても職務経歴書は用意しましょう。
大きな理由としては、大学卒業後に就職しなかった(できなかった)理由を説明した方が良いためです。採用担当者は、バイト歴しか書かれていない履歴書を見た際、なぜこの人は就職しなかったのかと疑問に思います。もし、何の説明もなければ「学生時代を怠惰に過ごしていたのでは?」と、疑われてしまうかもしれません。怠けていたのではなく、ホテルに就職するつもりだったこと。飲食業にやりがいを感じて仕事に取り組んでいたことを説明するためにも、職務経歴書を活用しましょう。

この経歴書のアドバイザー:北海道アルバイト情報社 キャリアアドバイザー/三浦 顕

【ケース別の書き方例】異業種からの転職

経験無夫さん(仮名/34才)
希望職種/営業職
大学卒業後は、建築会社に就職。総務や人事の仕事を12年経験しましたが、顧客と直接触れ合うような仕事を経験したいという気持ちが芽生え、転職を決意。未経験ながら、保険会社の営業職に応募しました。
(1)前職で取り組んだことが具体的に書かれています。さらに、実績や成果は数字を入れることでエピソードのリアリティーが増します。
(2)従業員数や売上高などを書くことで、仕事のスケール感を表現することができます。同じ勤怠管理でも、従業員数10人と100人では印象が異なります。
(3)職務内容は箇条書きにするなど、見やすさを工夫することが大切です。各業務でどんな仕事に携わったかを説明しましょう。
(4)身につけたスキルをどう活かすのかを伝えましょう。「貴社の売上に貢献」など、具体的な目標を掲げてもOKです。

これまでに身についたスキルと志望職種との関連性を見つけましょう!
未経験の職種へ転職を目指す人が職務経歴書で気をつけたいのは、過去に携わった職種と希望する職種の関連付けです。前職で培った技術やノウハウがいかに優れていても、志望先でその技術を必要としていなければ、採用担当者も魅力を感じないでしょう。
重要なのはそれぞれの仕事における共通項を見つけることです。例えば、経験無夫さんは前職で培った“ヒアリング能力”は、保険の営業でも不可欠な資質と考えアピールしています。
また、課題に取り組む姿勢を強調することで、「初めての仕事にも前向きに取り組むだろう」と、採用担当者にイメージさせています。
未経験というマイナス要素を補うためにも、自分がどんな資質を持ち、どんな姿勢で仕事に取り組むのかを、職務経歴書で表現することが大切です。

この経歴書のアドバイザー:北海道アルバイト情報社 キャリアアドバイザー/佐藤宏平

【ケース別の書き方例】職歴が多い

職歴多子さん(仮名/35才)
希望職種/総務職
食品メーカーや灯油販売会社、家電量販店など、これまで数々の仕事を経験し、現在はタウン誌を発行する出版社に勤務。過去の仕事で培ったスキルを活かして、物流会社の総務職を志望しています。
(1)職歴の柱や自身の強みを冒頭でアピールしましょう。まずここを読んでもらうため、太字にして書体も変えています。
(2)転職回数が多い人は、時系列ではなく、携わってきた仕事の内容で経歴をまとめてみましょう。表を活用すると見やすくなります。
(3)どのくらいやったかが、わかってGood。
(4)仕事の実績や特にがんばって取り組んできたこと、などを具体的・客観的に説明しましょう。周囲からの評価なども効果的です。

書き方に工夫が必要!アピールしたいポイントを絞ることも大切です。
転職回数が多い人は、まず職務経歴書の書き方に工夫が必要です。時系列で書かれたものは、これまでの歩みを説明するのには効果的ですが、羅列するだけではアピールポイントも埋もれてしまいます。一見して職歴が多いと分かる書き方は避け、3分程度で理解できる文章量にまとめましょう。
職歴多子さんの場合、携わってきた職種が2種類に分類できるので、キャリア別の職務経歴書がオススメです。応募職種に近い「業務・生産管理の経歴」として食品メーカー、灯油販売会社で携わった仕事と身につけたスキルをまとめ、これまでの経験が入社後に活かせることをアピール。さらに「販売促進営業の経歴」として他の経歴をまとめ、プラスアルファの資質をアピールします。
職歴が多い人は、場当たり的な転職ではなく自分の“強み”を活かしてきたことを職務経歴書でアピールするのが重要です。過去の仕事を振り返り、身についたスキルやがんばったことを探せば、きっとあなたならではの“強み”を見つけられるでしょう。

この経歴書のアドバイザー:北海道アルバイト情報社 キャリアアドバイザー/川上睦子

1枚で差がつくカバーレター

応募書類の仕上げとして添えたいのがカバーレター。書き方は一般の手紙と同じで手書き、縦書きが基本。「拝啓」で始まり時候の挨拶、本文、「敬具」で締めくくる。日付と署名、応募先企業の名前も忘れずに。
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