一次産業の基礎知識 漁業という仕事

2024年11月11日 公開

知ることから始まる漁業という仕事

漁業とは、船に乗って川や海に出向き、魚や貝、海藻などを獲ること。その仕事に従事しているのが漁師です。
北海道の漁業生産は全国の約4分の1を占めており、日本海側ではスルメイカ・カレイ類、エビやウニ類、養殖のコンブ類、太平洋側ではスケトウダラ・サンマ・サケマス類、オホーツク海側では養殖のホタテのほか、ケガニ・カレイ類・サケマス類の漁が盛んです。
各々の漁は、世界の海で漁を続ける遠洋漁業、サンマ漁などでも知られる沖合漁業、鮭の定置網やホタテやコンブの養殖なども含まれる沿岸漁業に大別することができ、さらに陸に戻った後は魚を選別して出荷作業を行ったり、網の手入れ、港によっては加工作業なども行います。
このように一言で漁師といっても、獲る魚や貝の種類、漁の方法や期間、船の規模などで仕事内容はさまざま。この仕事に就くためには、インターネットや関係機関を通じ、まずは漁師の仕事にまつわる基礎知識を習得し、自分の希望する就業のかたちを考えるのが大切です。

漁業権を持つ組合員と乗組員という二つの道

その地域での漁業を営むための権利を「漁業権」 といいます。この漁業権は漁業協同組合の組合員にならなければ得ることができません。このため漁師になるとは、『漁業権を持つ組合員として働く』または『組合員(個人経営や企業経営)の下で乗組員として働く』という二つの道のどちらかに進むことを意味します。
ただ組合員になるためには、一定期間の漁業経験や地域への定住、定められた資金などいくつかの要件が必要です。
また利尻・礼文島、日本海側の一部、道東の定置網漁など、漁業権を開放し積極的に新規組合員を採用している漁業協同組合と、漁業権は家業の継承(親の組合権を引き継ぐ)だけに限定している漁業協同組合があります。

※ちなみに2024年現在、北海道には約70の漁業協働組合があり、漁業就業者数は約2万人です。漁業者の数は年々減少しており、自治体や漁協の中には、積極的に新規就業者を受け入れているところも増えています。
参考:北海道漁業協同組合連合会「組織案内」より一部編集

誰でもなれるが、簡単になれないのが漁師

漁師には、特別な資格も学歴も必要ありません。では誰でもすぐに漁師になれるのか…と尋ねられると、答えは「NO」です。
その最大の理由が、海洋に浮かぶ船の上という特別な職場にあります。大量の魚がかかったり、急に悪天候になったり、設備に不具合がおきたり… そんな小さなトラブルが身の危険に繋がりかねない船の上。ここで真剣に仕事をするためには、互いを心底信頼する気持ちや一心同体のチームワークが不可欠です。さらに四六時中揺れている環境下で働くためには、それ相応の体力や精神力も必要です。素人や未経験者をいきなり船に乗せない背景には、そういった理由があるのです。
それでもいつか漁師という仕事に就きたいという意志のある人は、企業や漁協に直接連絡し疑問点を尋ねたり相談するほか、北海道漁業への就業の総合窓口「北海道漁業就業支援協議会」への訪問、さらに同会が開催する北海道漁業就業支援フェア(マッチングフェア)への参加をおすすめします。

北海道漁業就業支援会

http://h-suisankai.or.jp/conference/
※漁師になるノウハウのほか、企業や組合の漁業者(親方)に付いて技術や知識を習得する「長期実地研修」などの情報も掲載しています。

北海道の漁業を伝えるサイト「くらしごと」

ジョブキタの姉妹サイト「くらしごと」では、漁業をはじめ、一次産業に関わる人の働き方や暮らしを丁寧に紹介しています。
くらしごと「海スタイル」へ

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