北海道発!商品誕生エピソード【rosa rugosa(ロサ・ルゴサ)/株式会社ciokay(チオカイ)(浦幌町)】
2019年1月21日 公開

十勝地方の浦幌では、6〜8月になると太平洋沿岸の砂丘を中心にハマナスが大群落で咲き乱れます。町の花にも指定されているこの美しい資源を主原料に、天然由来成分にこだわったオーガニックコスメブランド「rosa rugosa」を展開する株式会社ciokay。代表の森健太さんに商品開発ストーリーをお聞きしました。
地元中学生のアイデアから
ハマナス事業が本格化!
「一次産業の現場や地域のコミュニティに触れた中で、特に印象的だったのが『うらほろスタイル』。小中学校9年間の教育に、町への愛着と誇りを育む活動を取り入れたプロジェクトです」
浦幌には高校がなく、進学に伴って町を離れる生徒が大半。そのため、未来を担う子どもたちに将来も浦幌で暮らし続けてもらうことを願い、10年以上前から地域ぐるみで地元の魅力や価値を伝える取り組みが進められているといいます。
「その集大成として、毎年中学3年生が地域活性化のプランを発表しています。その中でハマナスを使ってまちおこしをしようというアイディアが数多く飛び出しました。そして、4年ほど前から浦幌ではハーブティやお菓子の商品化に乗り出したんです」
森さんは大学卒業後、新卒として浦幌の地域おこし協力隊(自治体に委嘱され、任期1〜3年の中で地域活性化の活動に取り組む制度)に参加。少しずつ前進し始めていたハマナス事業を担当することになりました。
町民のあたたかみも感じる、
オーガニックコスメ
「さっそく町内の主婦の方を中心に、『ハマナスコスメブランデイング会議』を立ち上げ、コンセプトや価格、使用感について話し合いを進めました。同時にコスメメーカーの協力をあおぎ、ハマナスを化粧品に使うノウハウや配合する素材を微調整していったんです」
試作を重ねること約1年半。リラックスを誘うハマナスの蒸留水を主原料に、北海道のトドマツの葉から抽出したエキスやなたね油、ひまわり油といった天然由来成分にこだわった「rosa rugosa」が完成しました。
「水の代わりにハマナスの蒸留水を100%使っていますが、良い香りを失わないように精製するのが苦労しました。一方、コスメはビタミンCやポリフェノールの含有量が高く、敏感肌や乾燥肌の方にも評価をいただいています。ちなみに、僕も毎日使っているので、肌のハリやツヤが以前とは全然違うんです(笑)」
商品に使われるハマナスは町民が栽培し、一つひとつ手で収穫しています。また、パッケージに描かれている花の絵も、町内の写生会で子どもやご年配の方が手がけた作品。まさに「オール浦幌」のあたたかさまで感じるコスメです。
地域の子どもが
働きたいと思える会社へ
「このコスメは、地域の子どもの発想から生まれた商品。だからこそ、若い世代に還元するために雇用の受け皿を作りたいと考えています。例えば、海外展開することで英語を学んだ子が将来外国人と商談を進めたり、販売促進をさらに大掛かりにできればデザインを身に付けた子が町内でパンフレットを手がけたり、外で習得した技術を生かせる職場になれる可能性を秘めていると思うんです」
浦幌で生まれ育った子どもが進学で町を離れても、いずれ地元に帰り働きたいと思える会社へ。森さんのチャレンジは始まったばかりです。
ここがこだわり!開発のポイント
コスメに使われている主原料は浦幌のハマナス。さらに、トドマツの葉のエキスやなたね油、ひまわり油といった北海道産の素材をふんだんに使用。
「rosa rugosa」はハンドクリーム、化粧水、乳液、美容液、バーソープ(洗顔石けん)をラインアップ。基礎化粧品のシリーズとしては種類が豊富。
合成着色料や合成香料、鉱物油、パラベンなどは一切使用していないオーガニックコスメ。子どもから大人までどんな肌質にも馴染みやすい仕上がり。
-
株式会社ciokay
代表取締役/森 健太さん -
左からハンドクリーム/2,160円、バーソープ/2,484円
-
左からセラム/4,320円、ローション/3,456円、ミルキーローション/3,780円(すべて税込価格)
株式会社ciokay
北海道発!商品誕生エピソード
最新記事5件
商品の誕生の経緯について、同社代表取締役の池田浩輔さんにお話を伺いました。
商品開発の経緯や、お菓子作りへの思いを代表の柴田愛里沙さんに伺いました。
スパイスマニアでありながら、中学生のお子さんを育てるお母さんでもある小杉さんに、商品への熱い思いを伺いました。
固形物を食べることもままならない患者のために開発したチョコレートが「andew(アンジュ)」について、開発者の中村さんにお話を伺いました。
開発までの道のりや今後についてお話を伺いました