北海道発!商品誕生エピソード 北海道発!商品誕生エピソード【〝濃厚すぎる〟ウニの風味で爆発的人気「雲丹醤油」/株式会社ロコファームビレッジ(北広島市)】

2020年2月17日 公開

2018年2月に三井アウトレットパーク札幌北広島内の北海道ロコファームビレッジで発売されて以来、爆発的な売り上げを継続している「雲丹醤油」。1本1000円以上という高価格帯ながらもすでに10万本以上を売り上げたほか、調味料選手権2019では総合1位という高い評価を得ています。開発元である、株式会社ロコファームビレッジを訪ねました。

社内から反対の声もあった「1本1200円」の醤油。

株式会社ロコファームビレッジ
係長/髙橋和昌さん

この日、お話を聞かせてくれたのは、同社で商品開発に携わる髙橋和昌さん。
「雲丹醤油の企画が提案され、開発が始まったのは、発売の約1年前です。商品会議の場で『何か北海道らしい商品を…』という議論をするなかで、ウニを手軽に味わえる商品はできないだろうかという声が出たのです。当社の直売所で扱う米や野菜をおいしく味わっていただけるような、ウニをぜいたくに練りこんだ調味料を…という発想で行きついたのが雲丹醤油です。とはいえウニをふんだんに使うとなれば、どうしても1本1000円以上の価格設定になってしまいます。社内からも『そんなに高い物が売れるのか?』という反対の声はありました。けれど本当においしくて、人に贈りたくなるような高級感のある商品ならば、高くても売れるのではないかと当時の開発担当者が主張したのです。まずはやってみようということで、開発がスタートしました」
共同開発のパートナーとなったのは、昭和19(1944)年創業の老舗醤油蔵・日本醤油工業(旭川市)。ナショナルブランド商品の開発などを通じて長年信頼関係にある企業で、北海道の素材を生かし、時代にマッチした新商品作りに積極的なことにも定評があります。北海道産丸大豆を使用し、雲丹の味や香りとのバランスを調整しながら、特製醤油の開発にあたってくれました。
「当初は蒸して旨みを凝縮したウニを使用しての開発でした。キリッと際立つ磯の香りを持ったウニに負けず邪魔もしないよう、さまざまに配合割合を変えて、日本醤油工業さんのスタッフとで、何回も試食を重ねて商品化を目指しました」

爆発的な売れ行きに「原料が足りない!」

そのかいあって、発売当初から爆発的売れ行きとなった雲丹醤油。予想外の売れ行きとなって社内外から驚きと賞賛の声が上がる一方で〝原料となるウニが足りない〟という問題が発生します。なんとかこの事態を解決したいと原料を探すうちに、見つけたのが〝練りウニ〟でした。

お客様も生産者も喜ぶ「三方良し」の経営を。

苦肉の策とも言えるような、練りウニへの切り替えでしたが、こちらは蒸しウニに比べて磯の香りが和らぎ、よりマイルドな風味に。子どもや、ウニは少々苦手という人にも食べやすいと更に評判を呼びました。当初は北海道ロコファームビレッジのみでの販売でしたが、現在では新千歳空港やグループ企業が運営する「漁港の駅 TOTOCO小田原(神奈川県)」でも販売。TOTOCO小田原では1日1145本を売り上げたこともあったそう。昨年11月には日本野菜ソムリエ協会が主催する調味料選手権で総合1位にも選ばれました。
「農畜物、水産物の加工や直売を通じて地域を活性化していくのが当社の使命です。お客様にも生産者の方にも喜んでもらえる〝三方良し〟の経営を目指しています。例えば私が主に担当している山ワサビを使った商品では、既製品の山ワサビパウダーを使うことはせず、農家から直接山ワサビを買い取ってパウダーに加工します。それによって、農家の方に適正な利益を還元していくことができますから。生産者が元気になれば、地域も北海道も自然に元気になるはず。これからももっとたくさんの人が元気になれるような商品作りを続けていきたいと思っています」

ここがこだわり!開発のポイント

旭川の老舗醤油蔵と共同開発した醤油
ベースとなる醤油には道産丸大豆を使用。北海道で75年以上続き、醤油を知り尽くした日本醤油工業ならではの技が光ります。
人に贈りたくなる高級感あるデザイン
パッケージデザインにもこだわりました。ギフトやお土産のほか、自分へのご褒美として日々の食卓にも彩りを添えてくれます。
ウニをふんだんに使用した濃厚な風味
原料の3分の1以上はウニ! 最高級食材であるウニを惜しみなく使っているからこその、濃厚な味、香り、コクが楽しめます。

株式会社ロコファームビレッジ

三井アウトレットパーク札幌北広島1階「北海道ロコファームビレッジ」の運営会社。野菜、水産加工品の直売のほか、菓子や惣菜、北海道の特産品・土産物などの販売を行う。
北広島市大曲幸町3丁目7-6
TEL.011-377-2437
http://www.hokkaido-loco.com

北海道発!商品誕生エピソード

最新記事5件

愛犬と一緒に食べられる、ヴィーガン&グルテンフリーケーキ【CHaT VEGAN AND GLUTEN FREE for dog & human】 2025年3月31日 公開

商品開発の経緯や、お菓子作りへの思いを代表の柴田愛里沙さんに伺いました。

初心者でも簡単、あっという間に自宅で本格カレーが作れるスパイスカレーキット【sug spice】 2025年1月13日 公開

スパイスマニアでありながら、中学生のお子さんを育てるお母さんでもある小杉さんに、商品への熱い思いを伺いました。

医大生が開発した「世界一やさしいチョコレート」andew(アンジュ)【株式会社SpinLife】 2024年10月7日 公開

固形物を食べることもままならない患者のために開発したチョコレートが「andew(アンジュ)」について、開発者の中村さんにお話を伺いました。

恐竜から鳥へ、生命の歴史が潜む。作ろう!フライドチキンの骨格標本【いしかり砂丘の風資料館】 2024年2月26日 公開

フライドチキンから生命の進化の歴史をたどるというユニークな講座を企画・指導している同館学芸員・志賀健司さんにお話を伺いました。

ページトップへ戻る