「North Continent」や「ぎょうざ北大陸」を展開する北大陸の川畑智裕代表に聞いた「転機・人・未来」
2020年7月20日 公開
「地域の老舗」を目指しながら、時代とともに変わり続けることも信条です。

北海道札幌市出身。専門学校卒業後、札幌市内のホテルに就職。その後はハイクラスな和食店や鉄板焼きスタイルのステーキ店で修行。2004年にハンバーグ専門店「North Continent」をオープン。
川畑さんにとっての「転機」は?工房の余力を生かす時が来た、まさに「今」が転機です。
普通はわずか2店舗のために自社工場を構えませんが、徹底した衛生管理のもと、お客様により安全で品質の安定したハンバーグを味わってほしいと考えたからです。すべて自己資金で賄ったため、稼働率を気にしなくて良いことも背中を押しました。工房の機械は当社の規模に有り余るほど高性能ですし、実際に余力もあったのが正直なところです。ただし、「ウィズコロナ」の今、当社のおいしさをご家庭の食卓に届ける「中食」に工房の余力を活用する転機が来たと考えています。
川畑さんの「人」とは?スタッフです…が、欲をいえばもっと自ら仕事を作り出してほしい(笑)。
業務の負担が減った分、スタッフに期待するのは自ら仕事を作り、飲食店の新しい価値を生み出す積極性。新メニューや新業態といった大きなアイデアではなくとも、SNSを使った店舗情報の発信や料理写真のキレイな撮り方など小さな提案でも良いんです。「こうしたら楽しいんじゃないか」「あれを取り入れたらお客様に喜ばれる」…僕がいつも味わっているようなワクワクをスタッフにももっと感じてほしいと思っています。
川畑さんが描く「未来」は?お客様を待つのではなく、おいしさを外へ発信するスタイル。
今はECサイトでハンバーグや餃子を直販するための準備を整え、工房では専門店のおいしさをご家庭で簡単に再現できる商品開発も急ピッチで進めています。実際にドーナツ型で火が通りやすく、見た目も華やかなハンバーグは完成間近です。今後は他企業とのコラボ商品も視野に入れる他、テイクアウト・デリバリーに軸足を移しつつ、アフターコロナに備える予定。他にも生産者さんからお肉を預かり、工房で製品化するお手伝いもしたいと考えています。「地域の老舗」を目指すことに軸足を起きながら、時代に合わせて変化するのも僕のモットーなんです。
-
今後、力を入れるECサイトの試作品。工房には処理能力の高い機械を導入している上、真空パックといった包装もできるからこそスピーディーに開発できたとか。
-
工房で食肉処理を行う一コマ。現在、札幌市内のいくつかの飲食店にPB(プライベートブランド)として食肉加工品を卸しています。
-
ウィズコロナの時代の「これからの飲食店」として、スタッフには店内業務だけではなく、さまざまな仕事にトライしてほしいと川畑さんは笑います。
有限会社北大陸

北海道の経営者に聞く3つの質問「転機・人・未来」
最新記事5件
自分にできないことは仲間に頼る。互いに補い合う組織が「会社」だと考えます。
タンニンなめし革も手作業の製法も、「変えないこと」が価値を高めています。
北海道には北海道に合った、ビジネスのあり方があると思います。
魚の消費量も食べ方も変わる今、水産仲卸の役割が問われる時代です。
社員が幸せに働いてこそ、利用者様や子どもたちを笑顔にできます。