僕にとってのサッカーみたいに、
好きなことを職業にできたら、
それはとても素敵なこと。
当初、チャナティップ選手は期限付移籍だった。けれど、昨シーズンの活躍ぶりには目を見張るものがあり、北海道コンサドーレ札幌のJ1残留に大きく貢献。この夏、完全移籍が決まった。自身の心境に変化はあったのだろうか。
「やはり得点を意識するようになりました。シュートできるタイミングで迷っていると監督に怒られますからね、それもメチャ怖く(笑)。なので、第2節のセレッソ大阪戦で初ゴールを挙げられた時はホッとしました」
とはいえ、得点はあくまで「第二の目標」なのだとか。チャナティップ選手はチームの勝利を第一に、ピッチに入った瞬間から好プレーを繰り出すことしか考えていないと表情を引き締める。この献身的な姿勢がプレーにも表れ、なおかつ人懐こい性格も加わって多くのファンを惹きつけているのだろう。
「北海道コンサドーレ札幌の目標でもあるACL(アジアチャンピオンズリーグ)に出場するのが僕の目下の目標。さらに、いずれはヨーロッパでプレーしてみたいという気持ちもあります。え? 今後の大きな夢ですか? それはワールドカップにタイ代表を連れていくこと。次の開催時には28歳、その次は32歳。まだまだチャンスはあると思います」
インタビューを締めくくろうとしたところ、チャナティップ選手がサンプルとして渡した本誌をめくり、求人情報を珍しそうに眺め始めた。「もし、サッカーをしていなかったら、どんな仕事に就いていたと思いますか?」と思わず聞いてみると、「ずっとサッカー漬けだったから、他の仕事は想像もつきません。ただ、僕にとってのサッカーみたいに、好きなことを職業にできたら、それはとても素敵なことですよね。だから、自分の『好き』が見つかるまで仕事を探し続けるのは大切。乗り越えなければならない壁が立ちはだかると思いますが、前向きなら大丈夫! 北海道の大地で一緒に頑張りましょう」