札幌市民にとってはおなじみの地下鉄駅員や路面電車運転手。私たちの暮らしに不可欠な公共交通の担い手として、「働いている姿を見たことがある」という人は多いと思いますが、実際に彼らがどのような一日を過ごしているか、詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか?
そこでピンポイントレポでは、地下鉄南北線の北24条駅で駅員として勤務する麻生 真さん(仮名)の72時間に密着。駅員という仕事のリアル、知られざる魅力ややりがいにぐぐっと迫ります。
レポートの最後では路面電車運転手の一日も紹介しています。
<密着一日目〜二日目(午後)>
◎一日目(月曜日)
9:47
麻生さんが出勤したのは、7時45分。この日は、近隣の小学生が地下鉄で社会科見学へ。子どもたちが安全に乗車できるようホームで見守ります。
12:00
出勤前に購入したコンビニ弁当で昼食。
13:10
駅員が1日の多くを過ごすのが駅事務室。道案内やICカードの発行手続きなど、利用客のさまざまな問い合わせに応じます。
14:34
駅構内を巡回。階段や手すり、コインロッカーなど、駅の設備に不具合や異常がないかを確認します。
16:45
業務終了。「助役」にその日の出来事を報告し、次の勤務者に業務を引き継ぎます。残業があるのは稀です。
「勤務が終われば仕事のことはほとんど考えません」という麻生さん。気持ちを切り替えて自分の時間を過ごせるそう。
◎二日目(火曜日)
9:00
出勤しました。この日は夜勤があり、翌日の朝(水曜日の朝)迄勤務が続きます。
11:24
男の子に声をかけられました。電車が好きな子どもたちにとって、駅員は憧れの存在。声をかけられたり、手を振られたりすると麻生さんは誇らしい気持ちになります。
13:12
駅員の大切な仕事のひとつが券売機の売上金を回収すること。売上は札幌市の公金でもあります。
<密着二日目(午後)〜三日目>
19:00
夜勤の時は、正午の休憩に加え、19時にも1時間の休憩があります。
24:23
最終電車がホームに到着。麻生さんは駆け込もうとする利用客に注意を促しつつ、乗り遅れることのないよう誘導します。
24:28
最終電車を見送り、駅構内に残っている人がいないか確認。出入口のシャッターを閉め、地下鉄駅の一日が終わります。
25:00
駅事務室内の仮眠室で仮眠を取ります。
◎三日目
4:52
5時20分に起床して身支度を整え、業務開始。始発前に駅構内を巡回し、出入口のシャッターを開けます。
7:46
通勤・通学ラッシュで混雑するホーム。麻生さんは整列乗車や、リュックを体の前に持つことなどを放送で案内します。
9:00
朝のラッシュが一段落した9時に勤務終了。その日の出来事を報告し、次の勤務者へ引き継ぎます。
10:12
勤務が終わった後、帰宅せずにそのまま買い物に出かけた麻生さん。平日なので人混みを避けられ、ゆっくり商品を選べると笑顔を見せます。
◎取材を終えて
次の勤務は明日の朝9時からなので、きょう一日、「休日」のような感覚で過ごせるんです。夜勤の翌日が休みなら連休感覚で旅行にもいけます。個人的には良い働き方だと思っています!
【路面電車運転手の一日】
路面電車運転手は路面電車の車庫がある電車事業所(市電「電車事業所前」)に出勤します。出勤するとアルコールチェックや車両の点検などを行い、乗務スタート。
乗務中は車両の運転だけでなく、乗客の希望に応じてICカードへのチャージや乗車券の販売などを行います。1回の乗務で路線を2周するのが基本のパターンです。